
法人破産のケース
今回はまず、法人破産と代表者の個人破産申立を同時に行なう「法人少額管財手続」について考えみましょう。ただし、原則として法人の同時廃止はできません。
法人破産宣告のための必要書類
1. 破産申立書
2. 資格証明書
3. 債権者一覧表
4. 資産目録(流動資産と固定資産の有無)
5. 取締役会議事録
6. 委任状
管財人が必要になる個人破産
1. 差押解除型: 給与等を差し押さえられているケース
2. 差押回避型: 給与等の差押さえを受ける可能性のあるケース
3. 免責調査型: 免責不許可事由が明らかで、裁量免責を受けるために管財人の調査が必要なケース
4. 不当利得型: 不当利得返還請求権により、特定の債権者から金銭を取り返すケース
5. 生保等清算型: 生命保険解約返戻金等の換価が容易な財産が20万円を超えるケース
6. 調査型: 不動産を所有し、負債総額が5,000万円以上あるケース、債権者多数の場合などで管財人による調査が必要なケース
7. 偏頗弁済型: 偏頗弁済行為(?)があり、否認権の行使により金銭その他の財産を取り返すケース、または否認権の行使が可能か否かを管財人により調査するケース
法人・個人とも、管財人が必要となるケースでは、個人の場合原則50万円、法人の場合には原則100万円と予納金として裁判所に支払う必要があります。ただし、この予納金は、債権調査等の破産手続きの費用、債権者への配当金に充当されます。
破産宣告を受けるまでの過程や手続きは、本当にケースバイケースです。ゆっくり面談してご相談いたしましょう。
新会社再生法
平成14年12月13日公布
平成15年4月1日施行
会社更生手続は、経済的に行き詰まった株式会社について、会社債権者等の利害関係者の多数の同意の下に更生計画を築定し、これを遂行することにより、利害関係者の利害を適切に調整しつつ、会社の事業の再建を図る手続です。
今回、会社更生法が改正され、会社更生手続の迅速化・合理化が図られるとともに、再建手法が強化されました。
手続の合理化
1、全国どこからでも東京地裁又は大阪地裁に申立可能
2、更生計画による弁済期間の上限を原則15年に短縮
3、更生計画案の決議方法として書面投票、書面決議の制度を導入
手続の迅速化
1、手続の開始要件を緩和
2、手続開始後1年以内に更生計画案の提出を義務付け
3、手続の終結時期を早期化
再建手法の強化
1、経営責任のない取締役等を管財人等に選任できることを明確化
2、裁判所の許可による更生計画認可前の営業譲渡の制度を導入
3、担保付物件の早期売却を可能とする担保権消滅制度を創設
会社債権者への影響は?
今回の改正により、更生計画案に対する議決権の行使方法として、関係人集会に出席して行使する方法のほか書面等により行使する方法が認められるなど、手続の合理化が図られるため、会社の債権者は、会社更生手続に参加しやすくなります。
なお、今回の改正は、主として手続全体の迅速化・合理化、再建手法の強化を図るものですから、会社債権者が有する再建(更正再建等)については、従業員(使用人)の社内預金(預り金)の取扱が変わった点を除き、旧会社更生法とはほぼ同様に取り扱われることになります。
社内預金の取扱に変更点は?
これまで、従業員の社内預金は、その全額が共益債権とされて、手続の制約を受けずに、随時、弁済を受けることができました。今回の改正により、手続開始前6か月間の給料総額に相当する額または社内預金額の3分の1に相当する額のいずれか高い額に限って共益債権とされることになります。したがって、これを超える部分は、更生債権とされて、更生計画によるカット等の対象になります。
民事再生手続との違いは?
民事再生手続は、法人、個人を問わず誰でも利用できる簡易な手続で、無担保債権者の利益のみを制約し(担保権者は自由に権利を行使できます。)、再生計画でカットできるものも無担保債権だけです。したがって、会社更生手続と比べると、手続の効力が弱い反面、低廉かつ迅速な中小企業向きの手続といえます。
これに対して、会社更生手続は、株式会社のみが利用できる強力な手続で、無担保債権者のみならず担保権者や株主の権利をも制約し、更生計画でこれをカットすることができますし、合併、減増資等の会社の組織再編行為も簡易に行うことができます。したがって、民事再生手続と比べると、手続の効力が強力な反面、費用と時間とを要する大企業向きの手続といえます。

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